土がついたままの野菜。
採りたてで新鮮なイメージがありますが、土付き野菜の安全性って気になりますよね。
もし野菜についている土を食べてしまったら……
野菜の土に潜む危険性を知っておきましょう。
野菜の土は食べてもいいの?
野菜の土って食べても良いものなのでしょうか?
大地に根を張る植物ですから、採れた野菜に土がつくのは当然です。
特にほうれん草やレタス、白菜などの葉物野菜の根元に多くくっついていることの多い土。
洗ったつもりでも残ってしまっていること、案外多いですよね。
しっかり落とすのも面倒だし、畑で採れたての新鮮な野菜の土だからちょっとくらい食べてしまっても問題ないかな?なんて思ったことありませんか?
実際に、落とし切れていない野菜の土を食べてしまった、なんて方も珍しくはないのではないでしょうか。
しかし、実は野菜についている土には意外な危険性があるのです。
その正体は、なんと食中毒菌!
畑で採れる野菜には、土壌に潜む細菌がついてしまっている恐れがあります。
土の中には多くの微生物が存在します。
畑の場合、堆肥を使ったり動物由来の微生物も多いと言います。
土壌にいる細菌の中には、「ボツリヌス菌」や「セレウス菌」「ウェルシュ菌」、「腸管出血性大腸菌(O-157)」や「サルモネラ菌」などと、食中毒の原因となる菌もたくさん存在します。
意外ですよね。
なんとなく「食虫毒菌」というと主に肉や魚類などについているというイメージが強かったのですが、実は野菜による食中毒の危険性は案外高いそうです。
実際にこれまで野菜についた菌が原因とみられる食中毒も何度も発生しています。
例えば平成24年に北海道で発生した「腸管出血性大腸菌O-157」による集団食中毒ですが、これは白菜の浅漬けが原因です。
また平成26年には静岡県で花火大会の露店で出された冷やしキュウリが原因となり、O-157の集団食中毒が発生しました。
野菜自体に問題がなかったとしても、野菜についた土に、もしこれらの食中毒菌がついてしまっていたら……
そしてもし、その野菜を洗わず食べてしまったとしたら……
最悪、食中毒になってしまう恐れがあるということ。
食中毒を予防するためにも、泥付き野菜はしっかり洗ってから食べるようにしたいですね。
野菜の土を食べてしまった!そんなときどうする?
さて、もしもですが「もうすでに野菜についている土を食べてしまった!」なんて場合、一体どうなってしまうのでしょうか。
実際に私も数回「土食べちゃった」経験があります。
やはりレタスなどの根元がくっついている洗いにくい野菜はざっと洗っただけでは土を落とし切れず、食べているときに若干のジャリッと感が残ってしまう場合もあるんですよね。
個人的経験としては、その食べてしまった土が原因で食中毒に罹ってしまったことはありません。
ただ、それが単なる運であったことは言うまでもありません。
たまたまその野菜には食中毒菌がついていなかったのでしょう。
今回調べてみて、土付き新鮮な生野菜が思うよりはるかに食中毒リスクが高い食品であるのだと実感しました。
これまで食中毒にならずに済んだのは、本当にラッキーでした。
では、もし食中毒になってしまったら……
食中毒を引き起こす菌やウイルスに感染してしまったとして、そこから症状があらわれるまでには少し時間があります。
いわゆる「潜伏期間」ですが、これは菌やウイルスにより異なってきます。
食べてすぐ(15~30分)に症状があらわれるものもあれば、1週間ほどの潜伏期間の後に発症するケースもあるのです。
もちろん「どれくらいの量を食べたか」とか「その時の体調」によっても、食中毒症状が出てくる期間も変わってきます。
土のついた野菜を食べたとか、生の魚介類や傷んだ食材など、食中毒を引き起こす恐れのある何らかの食物を摂取した覚えがある。
そして腹痛や下痢、嘔吐、発熱等の食中毒が疑われる症状が見られる。
そういった場合に注意しておきたいこととしては、「市販の薬を安易に飲まない」ことだそうです。
下痢止め等で下痢の症状を止めてしまうと、食中毒菌やウイルスを出すことが阻害され、悪化してしまう場合もあるようです。
食中毒が疑われるときは
⒉ 横向きで寝る
⒊ 症状が激しい、改善されない場合は速やかに医療機関を受診
嘔吐下痢で水分はどんどん失われてしまいますので、経口補水液やスポーツドリンクで水分補給を。
ノロウイルスで嘔吐下痢なら食事はこうしよう 治療時から回復後まで
吐いたものが喉に詰まる恐れもあるので、仰向けにはならず横向きで寝るようにします。
特に高齢者や乳幼児などは気をつけてあげたいですね。
吐く力が弱いと口の中に嘔吐物が残ってしまっていることもあるので、そんなときは薄手のポリ手袋やビニール手袋などでかき出してあげると良いようです。
感染予防はしっかりと!
病院へ行く目安としては
・嘔吐下痢が1日に10回以上ある
・水分補給ができない
・血便がある
・意識障害が見られる
・呼吸困難
・高熱
・ぐったりしている
・腹痛が改善しない
などといった激しい症状、重い症状がある場合は即病院へ。
持病のある方や乳幼児、高齢者は特に心配なので、何らかの不安があればすぐに医療機関を受診したほうが良さそうですね。
野菜の土がついたままなのはちょっと怖い?
こんな内容の記事を読まれたあなたは、きっともう生野菜や土付きの野菜は怖いな、と思われたかもしれません。
しかし、「土つきの野菜」自体が怖いわけではないのです。
野菜についている「土」が問題なのであって、それはきれいに洗い流してしまえば済む話なのです。
食中毒予防に大切なことは
・新鮮な食材を使うこと
・食材や調理器具の衛生管理
土が残らない野菜の洗い方も知っておきたいですね。
ほうれん草や小松菜など根元に土が残りやすいものは、根を切り、水を張ったボウルにしばらく浸けておく。
その後流水で洗い流す。
キャベツやレタス、チンゲン菜など葉が重なった野菜は、葉をすべてはがして一枚ずつきれいに洗う。
じゃがいもや人参などの根菜は野菜用ブラシなどで、土がたまりやすいくぼみ部分をしっかり洗う。
ブロッコリーやカリフラワーは、小分けにして水を張ったボウルに入れつつ流水で丁寧に洗う。
熱湯でしっかり湯がく。
トマトやナスなど。
ヘタの部分は切り取り、しっかりと流水で洗う。
場合によっては食品用の洗剤とか殺菌剤(次亜塩素酸ナトリウム)などを使って、野菜を洗うのも〇。
なかなか落ちない泥つき野菜などには洗剤を使用するのも良いかもしれません。
野菜に洗剤なんて!と思いますが、食器用中性洗剤の表示を見ると、使用用途に「野菜・果物・食器」と記載されてあるんですよね。
希釈して使用しきちんと洗い流せばよい方法なのではないかと思います。
ちょっと野菜の泥が頑固すぎて落ちにくい場合は、試してみたいですね。
まとめ
野菜についた土に食中毒の危険性があるというのは、案外あまり知られていないことのように感じます。
食材の正しい知識を持って、安心安全な食生活を送りたいものですよね。
土を誤って食べてしまったことで食中毒になる可能性ってどのくらいなんでしょうね?
例えば交通事故に遭う可能性より低いのであれば、気にするのも馬鹿馬鹿しい気がします。
交通事故に遭いたくないから外に出ないという人はいないでしょう?
また運悪く食中毒になってしまったとしても、死んでしまったり、後遺症が残る可能性は、更にずっと低いでしょう。ちょっとおなかを壊す程度なら気にしないという人も多いのでは。
「確率」で考えた場合に、安全に過剰にこだわることが果たして合理的なのか、そういったことも考慮する必要があるように思います。
Sugari Toriさま、はじめまして。
Multyply Notesの管理人angieと申します。
コメントいただき、ありがとうございます!
野菜についた土ですが、ちょっとくらい土を食べてもお腹をこわす程度なら気にしないという方も、もちろん多いと思いでしょう。
過剰に清潔さを求めるのは、逆に人の免疫力を弱くするようにも思えますよね。
ただ、現実として食中毒菌には恐ろしいものもあります。
土を食べて食中毒になる可能性は、数値としてあらわすことも難しいかと思います。
それに食中毒になるか否かは、食べた方の抵抗力による部分も大きいものです。
乳幼児や高齢者、持病のある方など、元々の体の抵抗力が弱ければ、食中毒菌に関わらずウイルス等の影響も大いに受けやすくなってしまいますから。
食中毒になる可能性。
重症化する可能性。
それはもしかしたら交通事故に遭う可能性よりも低いかもしれませんが、この件に限って言えば、「避けようと思えば避けられる危険」であると思うのです。
野菜についた土をきれいに洗い流す。
これだけで「食中毒になる危険性」が回避できるのなら、私は野菜の土を洗いたいです。
なにより野菜に土がついていたら食べにくいし、おいしくないな、と感じます。
ただ野菜についた土を洗うだけで、土に潜んでいたかもしれない食中毒菌による食中毒を回避できるのなら、これは充分に合理的ではないでしょうか。
個人的には、そう考えております。