毎日毎日、遅くまで残業。
忙しすぎて気が抜けない。
そんな毎日を過ごしているのなら、こんな症状はないでしょうか。
疲れて頭が回らない。
集中できない。
最近ミスが増えた。
それは蓄積された疲労が原因かもしれません。
疲れて頭が働かないときの回復方法をご紹介します。
疲れると頭が回らないのはなぜか
疲れると頭が回らない。
いつもならあり得ないようなミスをしてしまう。
そんなこともありますよね。
ハードな日々が続くと「体が疲れたな」と思いますが、それは実は「脳が」疲れているのです。
例えばウイルスが体内に侵入すると、体は「発熱」してウイルスと戦います。
または体が傷つくと「痛み」を感じ、「これは危険」だと教えます。
それと同じようなもので、疲労・疲れは、脳が発している警告なのです。
言ってみれば「警報アラーム」のようなもの。
「これ以上の仕事は体のために良くない」
「これ以上の運動は体の害になる」
などというように、脳からの警報として【疲れ】があらわれるのです。
パソコンやスマホの画面を見過ぎて目が疲れる。
デスクワークが続いて肩が凝る。
運動のし過ぎで筋肉痛だ。
同じ姿勢ばかりで背中や腰が痛む。
このような体の各所の痛み・疲労感は、ほとんどが【脳の疲れ】のあらわれです。
また脳疲労は、作業量が多いとか仕事がハードだとか、体力的なストレスでばかり起こるのではありません。
人間関係の悩みやあらゆる不安など、メンタル的な部分で感じるストレスからも、脳は「疲れ」という警報を鳴らします。
体を酷使してもメンタルを痛めつけても「疲れる」。
このような脳疲労が続くと、脳の処理量が増え過ぎてしまいます。
休まずに働き続けている脳では酸素を大量消費しますが、そのうちの2%ほどは【活性酸素】になるといいます。
活性酸素は増えすぎてしまうと害になります。
正常な細胞・遺伝子を酸化させてしまいます。
「酸化」とは「サビ」のようなもの。
つまり体をサビつかせてしまうのですね。
この「サビ」は老化の原因になります。
なにか強いストレスを受けた。
体力や気力をフルで回転させなければならない生活が続いた。
などというとき、ふと顔を見て「老けたな」と感じるのは、脳内で活性酸素が発生し体がサビてしまった結果なのかもしれません。
体がつかれているのは、脳が疲れているから。
脳の警告を無視して頑張り過ぎてしまうのは、百害あって一利なしなのです。
疲労がピークになったときの症状は?
疲労がピークになると症状はどんなふうにあらわれるのでしょうか。
チェックしてみましょう。
□ 疲れて頭が回らない
□ 思考力が鈍ってきた
□ あり得ないようなミスが増えた
□ 肩こり・首こり・腰痛がひどい
□ 眼精疲労
□ 食欲不振
□ すぐに風邪をひいたり体調を崩しやすい
□ 寝ても寝ても眠い
□ イライラしやすくなった
□ 集中できない
もちろん病気が原因でこのような症状が出ている場合もあります。
続く体調不良は悪化する前に、病院を受診して医師に診ていただくことも大切です。
病気が原因でなくこんな症状が出ているのなら、それはやはり【脳疲労】が原因である可能性が高いです。
特に注意が必要なのは、以下の症状。
● ぼんやりとして集中できない
● 注意力散漫
● 反応が鈍い
● 動きが鈍く行動量が減少した
ここまでくると、疲労はピークに達していると考えられます。
まずは自分が「限界まで疲れている」ことを自覚しなければいけません。
溢れるほど溜まった疲れへの対処法はただ一つ。
「休養をとること」です。
休みと睡眠を充分に取り、限界まで酷使している脳と体をしっかりと休養させましょう。
脳疲労が起こる状況にいながら何の対策も取らなければ、疲労はどんどん蓄積されていき、体内の酸化が進みサビはこびりついた状態になります。
すると生活習慣病のリスクが高くなったり、脳が老化して認知症になるリスクも高くなると言います。
脳の疲れは早めに回復させるのが肝要なのです。
そして脳疲労から回復するためには、休養を取るしかありません。
「そんなことを言われても休めない」
「仕事が溜まっていて、残業しないわけにはいかない」
という声もよく聞きます。
体が限界なのだから何としてでも休んで欲しいところですが、「どうしても今は休めない!」というときの応急処置として、脳のリフレッシュ法をご紹介します。
頭の疲れを回復させる方法
頭の疲れを回復させる方法を挙げておきます。
普段の生活の中でちょっと意識して行うことで、うまく脳をリラックスさせられるはず。
仕事の合間合間に、ぜひ試してみてください。
● 1時間に5分の休憩を取る
時間がないからといってずっと通しで作業をしていても、逆に脳の情報処理能力は低下します。
時間がないときだからこそ、1時間に5分間は必ず休憩を取って、脳を休ませてください。
トイレに行きたくなくてもトイレに立ったり、5分間ぼーっとしているだけでも良いです。
休憩を取ったほうが仕事の効率がよくなることは、試したらすぐに実感できるはずです。
● スポーツドリンクを飲む
やる気を出そうと栄養ドリンクを飲んだり、眠気覚ましにコーヒーを飲む人も多いでしょうが、水分補給はスポーツドリンクがおすすめです。
栄養ドリンクもコーヒーもカフェインが含まれています。
カフェインには利尿作用がありますから、案外知らず知らずのうちに脱水症状に陥っている場合もあるのです。
脱水状態は血流も悪くなりますから、そのため疲労も溜まりやすくなってしまいます。
ですから水分補給はこまめに。
スポーツドリンクを常備しておくといいでしょう。
● たまに外に出る・窓を開ける
これはなぜかというと、自然の音を聴くためです。
風の音や雨の音を聞く、体に風を浴びるなど、「変化を感じて」みてください。
空調で温度・湿度を管理された室内は目立った変化がなく、画一化しています。
そうした変化のない環境は、脳疲労を加速させます。
森林浴や川のせせらぎを聴ければベストですが、なかなかそれも難しいと思います。
せめて休憩時間に屋上へ出るとか、ちょっと窓を開けるなどして、自然の発する音を聞いてみてください。
● ハードな運動はやめておく
疲れているときこそ体を動かそう!というタイプの方はたまに見かけますが、疲労がピークに達している状態の人は激しい運動をしてはいけません。
とにかく体を休めるのが先決です。
軽いストレッチくらいなら血流もよくなるので良いのですが、ひどく疲れているときは「なにより休養」を意識してくださいね。
● お酒は少しだけ
お酒を飲んだほうが元気になれる、というのは間違い。
適量であれば確かに血流はいくらか良くなりますが、「お酒で元気になる」気がする人は飲みすぎてしまう場合が多いです。
お酒の飲みすぎも活性酸素を増やし、細胞をサビつかせてしまいます。
飲むのなら少しだけにしておきましょう。
● がっつり重たい食事は避ける
「疲れているから元気をつけるために焼き肉でも」と思うタイプの方は要注意。
胃腸に負担がかかって、逆に疲れてしまう恐れもあります。
疲れているときに意識して摂りたい食材は「鶏むね肉」。
脳疲労を軽減させる成分が多く含まれています。
お酢や梅干しなどもクエン酸を多く含みますので、疲労蓄積の軽減に役立ちます。
疲れているときこそ食べ物が大切です。
「鶏胸肉」と「酸っぱいもの」をぜひ選んでみてくださいね。
● お風呂はぬるめ
お湯は熱ければいい、ゆっくり浸かればいい、ということではありません。
熱いお風呂は脈や血圧を上げてしまい、逆に疲れます。
疲れを取るための入浴方法は、ぬるめのお湯(38~40度)で半身浴を10分以内で済ませましょう。
まとめ
疲れて頭が回らない状態は、かなり脳疲労が蓄積されつつあるのだと思っておいてくださいね。
会社内でも仕事中でもできるリラックス法をお伝えしましたが、脳疲労の解消法は「睡眠と休息」しかありません。
忙しい時期をなんとか乗り越えたら、なんとしてでもお休みを取り、しっかりと脳と体を休ませてあげてください。