歯が痛いから歯医者さんに行ってレントゲンまで撮ってもらい、隅々まで歯を調べてもらった結果
「虫歯はありませんね」
と言われてしまったら。
「じゃあこの歯の痛みは何なの?」
と疑問に思いますよね。
何故、歯が痛むのに虫歯じゃないのか。
虫歯ではないのに歯が痛む場合、どのような原因が考えられるのかをまとめました。
歯が痛いのに虫歯じゃないってどういうこと?
歯が痛いのに虫歯ではない。
これはそんなに珍しいことでもないようです。
現に私管理人も虫歯がないのに歯が痛んだときがあります。
かかりつけの歯医者さんに行って診てもらいましたが、異常なし。
歯のクリーニングだけして帰ってきたことを思い出します。
結局そのときの歯痛は、自分では「副鼻腔炎」が原因だったのではないかと思っています。
副鼻腔が炎症を起こして膿が溜まる、いわゆる「蓄膿症」とも呼ばれる副鼻腔炎。
これは溜まった膿が原因で周辺が圧迫され、頭痛や歯痛の症状が出る場合もあるそうです。
その頃私は確かに副鼻腔炎でしたから、虫歯ではない歯の痛みの原因としては、充分考えられるものだと思います。
歯医者さんはただ「虫歯はないんだけどね」と言うだけで、特に何もしてはもらえませんでした。
その内、私自身も歯痛が治まってきたのでそのままにしていましたが、なかには歯痛がいつまでも治まらず、苦しんでいる人もいるでしょう。
色々と調べてみると、虫歯ではないときの歯の痛みには結構重大な病気が隠されていたり、早く何らかの対処が必要な場合があるのですね。
歯医者さんも万能ではないので、かかった歯科医によっては見落とされる恐れもあります。
現に歯が痛むのに虫歯がないと言われる。
そこで歯科医から別の提案がされない場合。
自分で自分の身を守ることも大切なのだと思います。
そこで虫歯じゃないのに歯が痛むときに考えられる原因を、ここで探ってみましょう。
虫歯じゃないのに歯が痛いときの原因
虫歯じゃないのに歯が痛いときの原因で、考えられるものを挙げていきます。
● 実は虫歯
虫歯じゃないのに、と言っておきながら何で?と思われそうですが、実際にあるようです。
しかも歯医者さんに診てもらったのに、見過ごされてしまう虫歯があることも。
例えば以前治療して被せものをした歯などは、虫歯が見つけにくいそうで。
レントゲンを撮っても確認できず、それでも痛いから被せものを取って確認してもらったら、中で虫歯が進行していた、という話も耳にしました。
以前に治療したときに神経を損傷してしまっており、それが後に痛む、ということもあるそうです。
「この歯が絶対におかしい」「ピンポイントでこの歯が痛む」という自分なりの確信があれば、歯科医に言って被せものを取ってチェックしてもらいましょう。
● 親知らず
本来生えなくてよいところに歯が生えてきてしまう親知らず。
歯ぐきから見えていなくても、歯茎の内側に埋没していたりして、一見すると分からないこともあります。
その隠れている親知らずが神経に触り、痛みとなって表れているのかもしれません。
歯医者で分かるような気がしますが、運悪く見つけてもらえない場合もある様子。
総合病院の歯科か、口腔外科を受診してみてください。
● 歯ぎしり・食いしばり
寝ているときに歯ぎしりをする。
あるいは、普段からグッと歯を食いしばる癖はないでしょうか?
原因不明の歯痛のなかでも、よく聞くのがこの「歯ぎしり」と「食いしばり」です。
上下の歯をグッと噛み締めると、かなりの力がかかります。
この食いしばりは無意識に行っていることが多く、しかも癖になってしまっているので、常に歯には負荷がかかっている状態なのですね。
歯ぎしりもそうです。
寝ているときにギリギリと歯をすり合わせているときにかかる、歯への圧力は相当なもの。
最悪、歯が割れてしまうこともないとも限りません。
早めに歯科医へ行き、マウスピースを作るなどの対処が必要です。
歯ぎしりや食いしばりは、ストレスが原因である場合もあります。
根本的に治療するには、ストレスへの対処法も考える必要があるかもしれませんね。
● 三叉神経痛
顔への感覚(痛いとか、熱い、冷たいなどの感覚・触覚)を脳へと伝える役割を持つのが三叉神経です。
この三叉神経がなぜ痛むのか、原因はさまざまなようです。
脳腫瘍など、脳が原因で起こることもあれば、血管が三叉神経を圧迫して痛みを感じる場合もあります。
三叉神経は3つの枝に分かれています。
額と頬、下顎へと伸びていて、その枝のある範囲に痛みが出ます。
だらだらと長く続く痛みではなく、一瞬か数秒・数十秒ほどの突発的に発生する強い痛みです。
痛みを誘発するポイントのようなものもあるそうで、顔を洗うと痛いとか、どこかを触ると痛みが走る場合は、三叉神経痛の可能性が高くなります。
歯磨きすると痛い。
水を飲むと痛い。
触ると痛むポイントがある。
季節の変わり目に痛くなる。
などという場合、三叉神経痛を疑ってみてください。
脳神経外科・ペインクリニックなどを受診してみましょう。
● 帯状疱疹・帯状疱疹後三叉神経痛
帯状疱疹が顔に出ると、歯が痛むこともあるようです。
または以前に帯状疱疹が顔に出たことがある人は、帯状疱疹後三叉神経痛になる恐れもあります。
ちなみに帯状疱疹とは、痛みのある水ぶくれや赤い斑点といった発疹が、神経に沿って帯状にできるものです。
ピリピリとした痛みと痒みがあり特徴的なので、一度かかるとピンとくるのではないでしょうか。
私も罹ったことがありますが、とても痛いしかゆいです。
顔に出ると、発疹が出ていない段階では重い歯痛のように感じる人もいるそうです。
ただ、帯状疱疹であればそのうち発疹や水ぶくれが出てくるはずなので、それで見分けがつくかと思います。
顔が痛んで、できものが出てきた。
ピリピリして痛痒い。
という場合、早めに皮膚科を受診しましょう。
帯状疱疹は治療が遅れると、帯状疱疹後三叉神経痛などの後遺症が残る恐れがあります。
ですから以前に帯状疱疹に罹った人が、体の抵抗力が落ちたときなどに、顔に痛みを感じることもあるのです。
特に顔だと、目や耳などに帯状疱疹が出ると影響が怖いので、即受診してくださいね。
● 顎関節症
口を開けると痛いとか、ものを噛もうとすると痛みが出る場合、顎関節症かもしれません。
顎の関節がカクカクする。
音がする感じがあれば、病院を受診しましょう。
町の歯科では対応できない場合もあるかもしれません。
受診するなら口腔外科が良いですね。
● ストレス・疲れ
ストレスや疲れが溜まると、歯が痛む人もいます。
歯周病になりかけている人などは、普段は抵抗力があって問題ないけれど、忙しすぎたりストレスを感じやすい時期になると抵抗力が落ち、急に症状があらわれることもあります。
体の対抗力が回復すると元に戻ることもあるようですが、繰り返すと本格的な歯周病になってしまうことも考えられますので、注意してくださいね。
● 心臓疾患
心臓の神経と歯の神経は近いので、痛みの混線が起こり、心臓の痛みを歯の痛みとして感じることがあるそう。
心筋梗塞や狭心症などの発作である可能性も無きにしも非ず。
原因不明の歯の痛み、息苦しさ等の異常を感じたら、できるだけ早く循環器外科を受診してください。
物を持ったときに歯が痛む、などの痛みの出方は心臓からきている可能性があるそうです。
● 脳腫瘍
三叉神経痛のところでも述べましたが、脳腫瘍があると歯痛として痛みが出ることもあります。
頭痛がするときに一緒に歯痛も起こるような感じらしいですが、症状の出方は人によってさまざまですから、歯痛だけが出ていても一応脳からきている可能性は考えておいたほうが良いかもしれません。
脳腫瘍の治療は脳神経外科です。
虫歯じゃないのに歯が痛いときの対処法
虫歯じゃないのに歯が痛いときの対処法ですが、まずは必ず歯医者に行って、虫歯ではないと確信を得ておいてくださいね。
でも残念ながら、たまたま受診した歯医者さんでは原因特定できないことも大いに考えられます。
歯の痛みから、鼻や心臓や脳に異常があると直結して考えてくれる歯医者さんには、そうそう出会えないかもしれません。
一か所歯医者を受診したけれど、原因が見つからず、その後のケアもない。
そんな場合はセカンドオピニオンをおすすめします。
その際受診する歯科は、できれば総合病院・大学病院の歯科にしておくと良いでしょう。
本当に虫歯や歯周病が原因ではない、歯科の管轄ではないと判明したときに、別の科に回してもらえるはず。
口腔外科、耳鼻科、脳神経外科、循環器外科など、歯の痛みから導き出される病気を特定できる可能性が高くなります。
いろいろな病院をはしごするのも疲れますから、あらゆる科がそろっている総合病院のほうが、時間も短縮できます。
歯の痛みは原因がさまざまなので、対処法としては原因を特定してから治療するしかありません。
なので必ず効くとは断言できませんが、一応念のために、歯が痛いときに痛みを悪化させない対処法を書いておきますね。
体が温まり血流が良くなると、神経が圧迫されて痛みが増します。
● アルコールは飲まない
一時的に血行がよくなり、痛みが増す恐れが。
● 歯を触らない
刺激しないで安静にしておいてください。
もし隠された虫歯や歯周病であれば、触れることで菌が入ってしまうかもしれません。
まとめ
虫歯じゃないのに歯が痛い。
原因不明の歯の痛みは、対処に困ってしまいますよね。
考えたくはないことですが、脳腫瘍や心臓病など、重大な病気から発生している歯の痛みである可能性もあります。
何でもなければそれでOK。
不安なままでは嫌ですよね。
痛みも早くなくしたいものです。
まずは歯医者の受診。
そこで虫歯ではないと分かったら、総合病院を受診しましょう。