脂肪分の多い食材といえば、やはりお肉。
牛肉、豚肉、鶏肉。
おいしいお肉を食べたいけれど、病気に罹ってしまい食事制限されてしまったら……
脂っこい食事は控えなければいけません。
では、もう一生お肉は食べられないのかというと、それはもちろん病気の進行具合にもよります。
「できるだけ油分は控えた食事をしてくださいね」
と主治医に言われている程度であれば、工夫してお肉を食べることも可能なはず。
病気で脂分の多い食事が食べられない人のための、美味しい中華料理の提案です。
脂っこくない肉料理って何がある?
脂っこくない肉料理を探していまして。
というのも、母が胆嚢炎になってしまい、現在も治療を続けているからです。
胆嚢炎は食事に気をつけなければいけない病気です。
胆嚢炎の食事 食べていいものは?いけないものは?胆のう炎の再発予防
脂肪やコレステロールの多い食事を摂ると、消化のために胆嚢が活発に収縮するので、胆嚢炎や胆石症の患者さんは痛みの発作を起こしやすくなります。
医師から注意されているのは、とにかく
「脂っこいものはできるだけ食べないようにしてください」
ということ。
脂物は控える。
一言でいうと簡単そうですが、これって難しいですよね。
脂肪の少ない食品を使い、食用油も少なめにする。
そうすると選べる食材も、調理方法も限られてきます。
揚げる・焼くよりは蒸す・煮る・茹でるなどの方法が良いでしょう。
牛肉・豚肉は特に控えたほうが良い食材です。
そうすると、残されたのは鶏肉。
鶏肉もモモ肉は脂肪が多いので、胸肉かささみが良さそうです。
鶏むね肉は健康に良いの?
鶏むね肉は健康に良い。
ヘルシーな食材だという印象があると思います。
胆嚢炎などで油っこい食事を制限されている人には、脂肪分の少ない胸肉はうってつけの食材であるように思います。
カロリー低めで、ダイエットにも適した食材ですよね。
実際、鶏胸肉は健康に良いそうで。
2週間以上続けて鶏むね肉を摂取すると、疲労回復にも効果があるのだとか。
胸肉は鳥の羽を動かす部分ですが、そこに【イミダペプチド】という栄養素があります。
この【イミダペプチド】を継続的に摂取することで、疲労でサビついた細胞を回復してくれるそうです。
低カロリーで高タンパク。
その上、疲労回復の作用もある鶏むね肉。
病気やダイエットでなくても、積極的に使いたい食材ですね。
ただしこの鶏むね肉。
一つ難点がありますよね。
それは火を通すと硬くなりやすい、ということ。
母は硬いお肉が苦手です。
胸肉はどうしても固くなりやすいので、せっかく料理しても美味しいと思ってもらえない可能性も。
どうせ作るのなら、美味しい!と言わせたいですよね。
そこで鶏むね肉を使った中華料理を作ってみました。
油の多いイメージのある中華料理ですが、鶏胸肉を使って脂分少な目、ヘルシーに仕上げたいと思います。
食事制限のある人も、その家族も、どちらも満足できれば嬉しいですね。
白菜と鶏胸肉で作る中華丼
白菜と鶏胸肉で中華丼を作ります。
まずは材料から。
● 鶏胸肉 1枚
● 白菜 1/2~1/4(大きさに応じて)
A 鶏がらスープの素 大さじ1/2
A しょうゆ 大さじ1/2
A 酢 大さじ1
A 酒 大さじ2
A みりん 大さじ2
(下味)
○ しょうゆ 大さじ1/2
○ 酒 大さじ1
○ 片栗粉 大さじ1
白菜と鶏胸肉の中華丼の作り方
① 鶏むね肉を用意します
② 皮は剥がして、食べやすい大きさに切ります
③ ポリ袋に下味の調味料(しょうゆ 大1/2、酒 大1、片栗粉 大1)を入れて混ぜておきます
④ そこに切った鶏胸肉を入れて、よく揉み、馴染ませます
⑤ 白菜を用意
⑥ 食べやすい大きさにカットします
⑦ 人参を用意
⑧ 半月切りにします
⑨ 調味料Aを混ぜ合わせておきます
⑩ フライパンに油を敷いて
⑪ ポリ袋で下味をつけていた鶏むね肉を投入
⑫ 少し焼き色がつくくらい炒めます
※カチカチに焼かないこと
⑬ 白菜・人参を投入
※野菜を入れる前にキッチンペーパーで、フライパンの油を拭き取ると尚良し
⑭ フライパンにアルミホイルを被せて蒸し焼きにします
⑮ 白菜の芯と人参がくたっとして鶏肉に火が通ったら
⑯ 混ぜ合わせていた調味料Aをかけましょう
⑰ よく混ぜ合わせ、火に通している間、水溶き片栗粉を作っておきます
⑱ 水溶き片栗粉を加えつつよく混ぜ、火を通します
⑲ お皿やどんぶりにご飯をよそっておきます
⑳ ごはんの上にかけて、完成!
雑穀米の上にかけても良いですね
胸肉の料理は結構作っていますが、この中華丼はこれまで自分が作ったなかで、最もやわらかく仕上がりました。
恐らく下味の酒と片栗粉が、胸肉が硬くなるのを防いだのでしょう。
そして合わせた調味料にお酢も入っていますから、やわらかくふわっとした食感になったようです。
大事なポイントは2つ。
★ 鶏胸肉の皮は剥ぐこと
★ 肉を炒めたあと、野菜を投入する前に、フライパンに残った油をしっかり拭き取ること
これで油はかなり抑えられます。
ただし大切なことなので繰り返しますが、胆のう炎やほかの病気もそうですが、病気の程度や具合によって「脂ものを控える」ことの程度も変わってきます。
発作が起きたばかり。
退院して間もない。
などと、まだ充分に体が回復していない場合は、少量でも油は控えたほうが良い場合もあります。
主治医の先生にどれくらいの食事制限が必要なのか、確認してから色々と食べるようにしてくださいね。
まとめ
食事制限のある方でも「お肉を食べたい」という気持ちはよく分かります。
その脂肪分制限食につき合ったり、料理しなければならない家族も大変だと思います。
分けて調理するのも面倒ですよね。
今回作った白菜と鶏胸肉の中華丼は、食事制限中の人でも健常者でも、どちらも美味しく食べられるレシピです。
食事制限のない方であれば、仕上げにごま油を回しかけると風味が増します。
鶏胸肉は優れた食材ですから、ぜひたくさん調理してみてくださいね。