風邪をひいたのに、熱が出ないのに関節だけ痛い…
そんな不思議な症状を経験したことはありませんか?
実は、風邪の症状は人によって大きく異なり、「熱が出ない風邪」も珍しくありません。
この記事では、その原因と体の仕組みをわかりやすく解説します。
🌡️ 風邪なのに熱が出ないのはなぜ?
風邪はウイルスが体内に侵入し、免疫反応によって起こる感染症です。
本来、免疫細胞がウイルスと戦うときに「サイトカイン」という物質が放出され、
その働きで体温が上がり発熱します。
しかし、すべての人が同じように反応するわけではありません。
🔹 原因① 免疫反応が弱まっている
疲労・ストレス・睡眠不足などで免疫力が低下していると、
炎症反応が十分に起こらず、体温が上がらないことがあります。
結果、風邪なのに「平熱~低体温」のままという状態になるのです。
🔹 原因② 高齢者や持病のある人に多い
加齢や基礎疾患によって免疫反応が鈍くなっている場合も、
発熱を伴わない風邪になることがあります。
その代わりに関節痛やだるさだけが目立つことも。
🔹 原因③ ウイルスの種類による違い
風邪の原因ウイルスは200種類以上あるとされており、
すべてが高熱を引き起こすわけではありません。
軽症タイプのウイルス(ライノウイルスなど)は、
鼻水・のどの痛みが中心で熱が出にくい傾向があります。
(参考:MSDマニュアル家庭版「かぜ(感冒)」)
🦵 なぜ関節痛だけが出るの?
関節痛は「炎症性サイトカイン(免疫物質)」の影響で起こります。
発熱と同じように、体がウイルスと戦っているサインのひとつです。
発熱がなくても、免疫反応そのものは起こっているため、
ウイルスに反応した炎症が筋肉や関節に伝わり、
体の節々が痛い・だるいという感覚につながります。
❄️ 低体温なのに関節が痛いときの対処法
低体温時の関節痛は、体が冷えて代謝が落ちているサインです。
次のような方法で、自然な回復を助けましょう。
🔸 体を温めて代謝を促す
- ぬるめのお風呂(38〜40℃)にゆっくり浸かる
- 温かい飲み物(白湯・生姜湯・ハーブティー)を取る
- 首・お腹・足首など、血流の多い部位を温める
🔸 無理に動かさず、しっかり休む
体はウイルスを排出するためにエネルギーを使っています。
無理に動くと免疫反応が乱れ、回復が遅れることも。
🔸 栄養と水分をこまめに
消化の良いもの(おかゆ・スープ・果物)を少量ずつ取り、
脱水を防ぎましょう。特に低体温時は温かい水分を。
🌙 深部体温のリズムと眠気の関係
私たちの体は、夜になると**深部体温(体の中心温度)**が下がり、
自然に眠気を感じるようにできています。
そのため、寝る前に一度体を温めておくと、
その後の温度下降がスムーズになり、快眠につながります。
🔍 深部体温とは、脳・臓器・筋肉など体の中心部の温度のこと。
手足などから熱が放出されると、深部体温が下がり、眠気が起こりやすくなります。
🧭 まとめ:熱がなくても風邪は「免疫が働いている証拠」
- 風邪は必ずしも熱が出るとは限らない
- 低体温や関節痛も、体がウイルスと戦っているサイン
- 睡眠・栄養・保温で免疫を整えることが回復の近道
熱がなくても油断せず、体の声を聞きながら休むことが大切です。
症状が長引く場合や、関節痛・だるさが強いときは、
内科を受診して他の疾患との区別をしてもらいましょう。
🔖 参考文献・情報ソース
- 厚生労働省「たかが『かぜ』、されど『かぜ』にこそ要る知識」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001330637.pdf - MSDマニュアル家庭版「かぜ(感冒)」
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/16-感染症/呼吸器系ウイルス/かぜ-感冒 - 厚生労働省「インフルエンザとかぜの違い」
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/dl/s1225-7k.pdf
※本記事は公的機関および医療情報サイトの公開資料をもとに執筆しています。
一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、診断・治療を代替するものではありません。
症状が続く場合は医療機関にご相談ください。スポンサーリンク
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