いよいよお歳暮の時期です。
結婚後初めて贈る、といった方も多いのではないでしょうか。
お歳暮を贈る場合、意外と難しいのが、手渡しをするタイミング。
どの段階で渡せばいいの?
最適のタイミングは?
何といって渡せばいい?
初めての方も、改めてマナーを見直したい方も、マナー美人に見られるお歳暮の渡し方をご紹介します。
お歳暮を渡すタイミングはいつ?どこでどう渡すか
● お歳暮を渡す時期
本来お歳暮を贈る時期は、12月13日のすす払いから20日までの間とされてきました。
(※ すす払いとは――年末に天井や壁などのすすを払う大掃除のこと)
しかし現在では、すす払いの習慣がなくなると共に、お歳暮を贈る時期は早まっています。
11月末に贈るのも、珍しいことではありません。
それも住む地域などによって違いはありますが、一般的なお歳暮の時期は、12月上旬から20日頃まで。
このあたりに贈るのが最も無難であるといえるでしょう。
ただし、贈りたいものがお正月を意識した鮭や昆布巻き等の生鮮食品であれば、25日以降のお正月に近い日にちに贈るのが最適です。
● お歳暮を持って訪問する時間帯
基本的に先方の都合に合わせます。
事前に電話かメールで確認しておいてください。
時間帯は午前ならば10時~11時。午後ならば14時~16時。
先方がお食事を摂られている時間帯は避けるようにします。
お歳暮はどのタイミングで渡すべきか
お部屋に入らず失礼する場合は、玄関先で手渡しします。
中に通される場合は、部屋に入ってから手渡しします。
● すぐに帰る場合は玄関先で
先方に気を遣わせたくない。
あるいは急いでいるとか、遅い時間になってしまった、などという場合もありますよね。
そんなときは玄関先で贈り物を手渡しします。
まずはご挨拶から。
「お忙しいところ、お時間いただきましてありがとうございます」
「今年は大変お世話になりました」
ご挨拶が済んだら、紙袋(または風呂敷)から取り出します。
相手から見て熨斗の表書きが見えるよう向きを正します。
「心ばかりの品ですが、どうぞお納めください」
両手で持ち、お渡ししてください。
お歳暮の中身が、アイスや生ものなどの冷蔵庫に入れる必要のあるものであれば、必ず一言添えるようにしましょう。
気づかれず室内に箱のまま置かれると、食品が傷んでしまいます。
玄関先ですぐに失礼する場合、「慌ただしくて申し訳ありません」などの言葉を添えるのもいいですね。
● 部屋に通された場合のお歳暮の手渡し方法
《和室》
基本的には下座に座りますが、そのとき勧められた場所に座ります。
最初から下座であれば良いのですが、上座に座るよう勧められる場合もあります。
そんな場合でも、お歳暮は下座で手渡しましょう。
一旦下座に座り、
「お忙しいところお時間頂戴いたしまして、ありがとうございます」
ご挨拶し、紙袋(風呂敷)から贈り物を取り出します。
「評判のお菓子と聞いておりますので」
熨斗の向きを整え、両手を添えて手渡しします。
その後、勧められた場所に座ってください。
座布団が用意してあるとしても、勧められる前に座らないよう気をつけましょう。
《洋室》
お部屋に通されて席を勧められますが、座る前にまず挨拶を忘れずに。
「お忙しいところ、お時間を頂きましてありがとうございます」
紙袋から贈り物を取り出し、向きを正します。
「お気に召すと嬉しいのですが」
などと添え、両手で差しだしてください。
お歳暮を渡すときの言葉は?
お歳暮を渡す際に添える言葉の例をご紹介します。
「今年も大変お世話になりました」
「いつもお世話になっております」
「結婚式では大変お世話になりました」
まずはお世話になったことへの感謝の気持ちを述べること。
お歳暮を手渡しするときには、次のような言葉を添えます。
「評判のお菓子と聞いておりますので」
「心ばかりの品ですが」
「〇〇さんがお好きだと耳にしましたので」
最近では「つまらないものですが」という言葉は、あまり添えません。
本来「つまらないもの」というのは
「あなたが素晴らしすぎて、あなたの前ではどんなものもつまらないものに見える」という意味合いです。
しかし現在では本来の意味は浸透しておらず、「つまらないものを贈るなんて失礼だ」という解釈で受け取られがちです。
それならば、「つまらないものですが」をあえて添える必要はないでしょう。
大切なのは選ぶ言葉や言い回しではなく「気持ち」ですから、最低限のマナーさえ守れば、定型文のような挨拶にこだわる必要はないと思います。
自分の気持ちを乗せて、温度のある会話が楽しめるといいですね。
お歳暮の時期から遅れてしまった!こんなときどうする?
もし、都合がつかずにお歳暮の時期を逃してしまったら……焦りますよね。
年末はなにかと忙しく、お歳暮を手渡しに行きたいと思っていても、なかなか都合がつかないことも多々あります。
最初から配送にすれば良かった!と思うかもしれませんが、大丈夫です。
年内に届けられそうもない場合、日持ちするものでしたら、御年賀として贈ることも可能です。
その場合は年が明けて松の内(1月7日)までに届けるようにしましょう。
もちろん表書きは「御年賀」に変えてくださいね。
松の内も過ぎてしまった!なんてときも、立春の間までに「寒中御見舞い」として贈れます。
まとめ
日頃お世話になっている方へと、感謝の気持ちを贈るのがお歳暮です。
マナーが大切とは言いますが、相手の喜びそうな品を選ぶこと。
相手に気を遣わせないように振る舞うこと。
失礼のないようにすること。
感謝の気持ちを表すこと。
そうして相手の気持ちを慮ることこそがマナーです。
堅苦しく考えず、感謝の気持ちを大切に、お歳暮を贈りましょう。