妊娠すると、ママの体は分娩に備えて変化してきます。
いよいよ分娩間近な妊娠後期になると「貧血」になる妊婦さんが増えてきます。
検診時に突然「貧血ですね」といわれて、驚いた方も多いのではないでしょうか。
貧血という診断を受けたら、おなかの赤ちゃんになにか悪い影響がないかと不安になりますよね。
そこで、妊娠中の貧血についての正しい知識と対処法をまとめました。
妊娠時の貧血の影響
妊娠時の貧血がどんな影響をもたらすのか、きちんと把握しておきましょう。
その前に、まずはなぜ妊婦さんが貧血になりやすいのか、原因を知っておくのも大切です。
妊娠後期にもなると、4人に1人の妊婦さんが貧血になるともいわれています。
胎内にいる赤ちゃんを育てるために、特に妊娠後期には、ママの血液量は妊娠前の1.5倍にも増えます。
「血が増えるのなら貧血じゃないんじゃないの?」
と思うのは大間違い。
貧血とは量ではなく濃度の問題です。
血液が薄くなった状態が「貧血」なのですね。
妊娠後期の妊婦さんは血液量が増えますが、血液中の成分である赤血球やヘモグロビンなどの生産が追いつかず、結果的に「血が薄まった」状態になってしまいがちです。
これがいわゆる「貧血」「鉄欠乏性貧血」と呼ばれる状態なのです。
妊娠中の貧血でどうなる?
妊娠中の貧血でどうなるのか。
個人差はあり程度にもよるので一概にはいえませんが、放置するのはさまざまな影響をあたえることもあり、おすすめしません。
具体的な影響として
● 出産時の出血が増える
● 母乳の出が悪くなる
● 産後の回復が遅くなる
ということも起こり得ます。
妊婦検診時の血液検査で貧血であると診断されれば、程度に応じて医師からの治療を受けるでしょう。
基本的には医師の指示に従っていれば、それほど不安に感じることもないと思います。
治療法としては以下の方法があります。
① 鉄剤の服用
② 注射
③ 食事療法
恐らく多くの場合、鉄剤の服用を勧められるかと思われます。
数値が低すぎるようなら、注射による治療も同時に受けることも。
また、鉄剤は胃に負担がかかりますので、服用すると吐き気やむかつきなどの不快な症状を感じる方も少なくはありません。
そんな場合も、注射による治療がされることもあります。
軽度であれば食事療法で。
たとえ鉄剤服用などをしていても、普段から食事に気をつけるのは、健康管理の面から見ても意味のあることです。
基本は食事療法です。
鉄分を多く含んだ食事を心がけて、貧血になりにくい体質を目指したいですよね。
● 小松菜
● あさり
● 牛肉
● 納豆
などの食材は、鉄分を多く含んでいるので、積極的に摂るようにしましょう。
特に小松菜は鉄分豊富なだけではなく、ビタミンCも豊富。
ビタミンCは鉄分の吸収率を高めますので、貧血対策にうってつけの食材であると言えますね。
ただ栄養というものは偏りすぎてもよくないので、まずはバランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
妊娠中の貧血と赤ちゃん
妊娠中の貧血は赤ちゃんに影響をもたらすのでしょうか。
おなかの中の赤ちゃんには、優先的に血液が送られます。
なのでママが貧血だと診断されても、赤ちゃんにはそれほどの影響は出ません。
しかし血液不足は、妊婦さんに動悸や息切れといった症状を引き起こす場合もあり、なかなかつらいものです。
元から貧血傾向にある妊婦さんだと、更なる悪化の恐れも無きにしもあらずです。
しっかり対策を取って、貧血の改善に努めてくださいね。
まとめ
妊娠期間は、胎内で赤ちゃんを育てている大切な時です。
ママの体はおなかの中の赤ちゃんを守るために、日増しに変化していきます。
たかが貧血とは思わず、できる限りの対策を早めに取るようにしましょう。